80年代
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【第11回】エアロスミスの「Walk This Way」を完全解説【洋楽名曲解説】

エアロスミス(Aerosmith)のwalk this way完全解説【洋楽名曲】
axlcity
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記事をご覧いただきありがとうございます。

このカテゴリーでは主に楽曲解説にフォーカスしています。

あの曲は、何を歌っているのか?有名な曲だけど、歌詞の内容までは知らない。

なんとなく歌っていたあの曲ってそんな歌だったの、といった疑問を解決するコーナーとなっています。

つる
つる

「誰が、いつ、何が、どうして、どうなった」

曲の背景を知ると洋楽をもっと楽しめます

@tsurumusicblog / @axlcity

今回紹介するのは、エアロスミスの3rdアルバム『闇夜のヘヴィロック』(Toys in the Attic)から、

“Walk This Way”です。

この記事で分かること
  • 曲の意味、背景、誕生秘話
  • 歌詞の考察

アルバム『闇夜のヘヴィロック』(Toys in the Attic)のレビュー記事も合わせてご覧ください。

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曲の概要

基本データ
  • エアロスミスの3rdアルバム『闇夜のヘヴィロック』(Toys in the Attic)に収録
  • 童貞が女子から手ほどきを受けるという内容
  • バンドの低迷期、RUN DMCとのコラボで息吹を吹き返した楽曲
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“Walk This Way”の意味

「Walk This Way」の英語の意味
単語発音意味
walk UK:*/ˈwɔːk/
US:/wɔk/ ,(wôk)
動詞(v):歩く、生きる、世を渡る
thisUK:*/ˈðɪs/
US:/ðɪs/ ,USA pronunciation: respelling(ᵺis)
これ、この、こっちの
wayUK:*/ˈweɪ/
US:/weɪ/ ,USA pronunciation: respelling(wā)
名詞(n):方法、やり方、道

“Walk This Way”は直訳すると「こっちの道を歩く」という意味になります。

意訳すれば「我が道を行く」や「これが(俺の)生きる道」とも捉えることができます。

では歌の内容から紐解いていきましょう。

曲の内容

【出典】Aerosmith – Walk This Way (Live Texxas Jam ’78)|YouTubeより

解説&考察

この歌のテーマは「性」です。ただ童貞を卒業したい高校生を中心に描かれています。

歌の主人公は童貞を卒業したい思春期まっしぐらのハイスクールの男子校生。

彼はとあるチアリーダーに想いを寄せており、シーソーをSEXに例えあれやこれや妄想する日々を送っている。

とある日に高校のダンスパーティーに行って”あの子”を誘ってみたが、彼女にこうやるのああやるのとゴタゴタ説教を受けてしまう。

歌の最後には体育館のロッカールームで3人の女子とヤリ、自信がついた俺は隣近所の女の子とキスから始まる営みを楽しむという展開に物語は進みます。

歌の内容からも前述した「我が道を行く」や「これが(俺の)生きる道」という意味はあながち間違ってはいないと考えられます。

テキーラ
テキーラ

「(俺の)ヤリ方」と捉えてもいいかもな〜

歌の背景

アイディア掘り出し〜曲の原型ができるまで

「何かファンキーな曲を書こう、ただジェームズ・ブラウンのカバーをすべきではない」といったジョー・ペリーの発言からこのプロジェクトは始まりました。

ギターリフに関しては「ジョーがゴジラの映画をみている時に思いついたという説」など諸説は色々あるのですが、

「ゲス・フー(The Guess Who)のハワイのホノルル公演の前座のサウンドチェックをしているときに思いついたという説」が濃厚です。

この時ジョーが「何かグルーヴのあるフラットなものを叩いてくれ」とドラムのジョーイ・クレイマーに叩いてもらって思いついたそう。

ミーターズ(The Meters)といったニューオーリンズのファンクから影響を受けたジョーは様々なリフを演奏、それを聞いたスティーヴンがドラムでリズムを刻み、歌詞をのせてある意味で即興で生まれた楽曲です。

つる
つる

スティーヴンは元々ドラマーとしてのキャリアがあったから叩けたし、グルーヴを感じ取ったんだね。

レコーディング開始〜『闇夜のヘヴィ・ロック』発表まで

【出典】Aerosmith (@aerosmith) Instagramより

ニューヨークのレコード・プラントで『闇夜のヘヴィ・ロック』(Toys in the Attic)のレコーディングが始まります。

その際、新曲が必要に追われ”ハワイで思いついたあれをやろう”となったそうです。

しかし、その時はまだ “断片的なアイディア” でしかありませんでした。

気分転換のために映画を見に行くエアロスミス御一行は、とある映画からヒントを得ます。

メル・ブルックス監督の映画『ヤング・フランケンシュタイン』です。

【出典】Samuel J. May (@sjmay92) Xより

フランケンシュタイン博士とアイゴールが初めて出会うシーンで、アイゴールの “Walk This Way”(私について来てください)というセリフからインスパイアされ曲名になります。

そして、スティーヴンはホテルの一室で歌詞を書き上げます。

1975年4月に3rdアルバム『闇夜のヘヴィ・ロック』をリリース。

8月にリリースしたシングル「Walk This Way」は全米10位まで上り詰めるヒットソングになります。

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【出典】Aerosmith (@aerosmith) Instagramより

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RUN-D.M.C.とのコラボで大復活

【出典】RUN DMC – Walk This Way (Official HD Video) ft. Aerosmith|YouTubeより

80年代前半メンバー間の関係が悪化しジョーとブラッドが脱退、この頃からバンドの低迷期を迎えてしまいます。

しかし1986年とあるヒップホップトリオ、RUN-D.M.C.とのコラボで大復活劇を遂げます。

80年代後半はヒップホップとデジタル・ミュージックが流行していました。

このとき音楽プロデューサーのリック・ルービンはRUN-D.M.C.をプロデュースします。

【出典】RUN DMC (@rundmc) Instagramより

このコラボは偶然の産物と言っていいようなエピソードがあります。

過去のインタビューでメンバーのひとりD.M.C.は当時をこう振り返っています。

ある日、スタジオでビートをループさせていたら、(プロデューサーの)リック・ルービンが入ってきた。彼は“よう、それが何か知ってる?”と言ったので、俺とジェイ(ジャム・マスター・ジェイ)は“Toys In The Atticだろう”と言った。俺たちはグループのことを知らなかったから、ただジャケットに書いてあることをそのまま言ったんだ。彼は“それはエアロスミスのWalk This Wayだ”と言って、エアロスミスについて教えてくれた」

ルービンは彼らの3rdアルバム『レイジング・ヘル』の製作に取り掛かる際に、エアロスミスの “Walk This Way” とのコラボを思いつきます。

【出典】Behind The Vinyl – “Walk This Way” with D.M.C. from RUN D.M.C.|boom 97.3|YouTubeより

ただ、そう都合良く行くものではなく「俺らのキャリアが台無しになる」「ヒップホップ界が嫌がる」とメンバーに拒否されてしまいます。

つる
つる

当初RUN-D.M.C.のメンバーは歌詞が気に入らなかったそうだよ

しかし、なんとか説得してコラボをすることに。

リック・ルービンはニューヨークのマジック・ベンチャーズ・スタジオにスティーヴンとジョーを呼びレコーディングを開始、サンプリングを使わずに再レコーディングという形で参加します。

【出典】How Aerosmith and Run-D.M.C. remade ‘Walk This Way’ 30 years ago|Washington Post|YouTubeより

リリースから10年以上経っているこの楽曲はヒップホップとロックの融合を見事に作り出し、70年代のエアロスミスの活躍を知らないファンをも取り込むヒットとなりました。

RUN-D.M.C.の “Walk This Way (feat. Aerosmith)” (1986年)

アルバム『レイジング・ヘル』はBillboard200で第3位、Billboard R&B/Hip-Hop Albumsでは1位。

楽曲は全米4位まで上り詰めました。

そこからエアロスミスは息を吹き返し、翌年1987年にリリースされた9枚目のアルバム『パーマネント・ヴァケイション』で完全復活を遂げます。

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まとめ:あらゆる可能性を秘めた名曲”Walk This Way”

【出典】Aerosmith (@aerosmith) Instagramより

“Walk This Way”はヒップホップとロックの架け橋となるだけでなく、新しい挑戦や可能性を象徴する音楽のひとつになり、ロック史に名を残す名曲になりました。

1991年11月21日放送のアニメ『ザ・シンプソンズ』のシーズン3、第10話「Flaming Moe’s」でゲスト出演したエアロスミスは “Walk This Way”を披露してます。

【参考】Wikisimpsons – The Simpsons Wiki

【出典】Aerosmith (@aerosmith) Instagramより

また1987年の映画『ロストボーイ』では、キーファー・サザーランド演じるヴァンパイアとその仲間がキャンプファイヤーの周りで酒を飲み連んでいるヤンキーを襲うシーンでも使用されています。

【出典】All The Right Movies (@ATRightMovies) Xより

【出典】The Lost Boys | 4K UHD Trailer | Warner Bros. Entertainment|Warner Bros. Entertainment|YouTubeより

今でも多くのミュージシャンに歌い継がれており、2007年にはシュガーベイブスとガールズ・アラウドがカバーしUKチャートで1位に。

Sugarbabes, Girls Aloudの “Walk This Way” (2007年)

2013年にシンガポールで行われた「Social Star Awards」のセレモニーではYouTuberのHIKAKINさんと共演。

ビートボックスとコラボする新たな音楽開拓をしました。

【出典】Hikakin × Aerosmith × Nonstop – Walk This Way|HIKAKIN|YouTubeより

2020年には第62回グラミー賞授賞式のステージではRUN-D.M.C.と再共演を果たし話題にもなっています。

【出典】Aerosmith (@aerosmith) Instagramより

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それでは今日も一日ロックしましょう!

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音楽ブロガー・ライター/イラストレーター/ミュージシャン
音楽に取り憑かれたロックン・ロール信者。中でもとにかく洋楽が好きで365日毎日聴き続けている。大学生の頃アメリカ留学中に受けた授業「ロックの歴史」に感銘を受け、そこから"次世代の小林克也"を目指すようになる。

CD、カセット、レコードなどアナログで鑑賞、アルバムを手に取ってはニヤニヤする変態。特技は80年代洋楽をミュージックビデオと共に1時間鑑賞する事。

日本全国、いや全世界にロックを必修科目にさせるべく日々魅力的な記事を投稿中。
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