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【考察】なぜ、ミュージシャンはラジオについて歌うのか?〜ラジオがテーマの洋楽ソング6選〜

ラジオと音楽の関係性、洋楽ラジオ
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日々、洋楽を聴いていると歌詞の中に「ラジオ」というキーワードがよく出てくる。

日本でも宇多田ヒカルの「HEART STATION」(2008年)や徳永英明の「壊れかけのRadio」(1990年)などラジオが歌われる曲があるように、洋楽にも存在する。

なぜなのだろうと、素朴な疑問を抱いたので考察。

後半には、ラジオにまつわるおすすめの曲を紹介しているので、ぜひ最後まで読んでいただくと幸いだ。

この記事で分かること
  • なぜラジオがテーマになるのか
  • どんな歌が歌われているのか
  • おすすめ洋楽ソング
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なぜラジオについて歌われるのか?

ラジオについて歌われる2つの理由
  1. ラジオで流れるというステータスの問題
  2. ラジオという音声メディアへの感謝を表すため

なぜラジオについて歌われるのかは、結論この2点だ。

その①:ラジオで流れるというステータスの問題

ミュージシャンにとって幅広くリスナーに届かせるには、「ラジオ」が必須と言っても過言ではない。

いやいや、そんなのもう古くねえか?と意見があるのは承知だ。

事実、今はSNSを通し個人で発信し、自己プロデュースする人も多い。

HIKAKINさんや、都市伝説系YouTuberのコヤッキーさんの「THE SILENT DOG」をはじめ、YouTuberが歌を出しているような時代だ。

しかし、この情報過多の社会では、どんなに素晴らしいものも、運次第ですぐに埋もれ人目につかなくなってしまうのも事実だ。

その一方で、ラジオで流れるというのは「権威性」をつけることができる。

有名なラジオDJが曲をかけたり、有名番組で紹介されることで、より広く多方面のリスナーに届くことができるのだ。

ラジオで流れたことで一気に有名になった例として、ネーナ(NENA)の「ロックバルーンは99」(“99 Luftballons”はいい例だろう。

西ドイツのバンド、ネーナ(NENA)はアメリカでは全く知られていなかったのだが、ロサンゼルスのラジオ局「KROQ」のラジオDJがこの曲をかけたことで、広まったという事実がある。

ネーナの「99 Luftballons」(1983年)

結果、ネーナ(NENA)の「ロックバルーンは99」(“99 Luftballons”)は、ドイツ語で歌われているのも関わらず、1984年3月3日付けのBillboardチャートで2位まで上昇し、世界中で大ヒットした。

テキーラ
テキーラ

英語で歌った「99 Red Balloons」っていうバージョンもあるよな

つる
つる

ちなみに、この時の1位は、ヴァン・ヘイレン(Van Halen)の「ジャンプ」(“Jump”)だよ。

こういうケースがあるから面白い。

ラジオで流れるというのは、権威性だけでなく、ミュージシャンにとっての登竜門としての役割もあるのだ。

その②:ラジオという音声メディアへの感謝を表している

1つ目で結論を出したように、ラジオというのはミュージシャンにとっての登竜門であるのは間違いない。

そしてミュージシャンも、そのアンサーとして曲を書いている。

記事の後半で紹介している多くの曲が、ラジオへの愛や感謝をテーマにしている。

ウィンウィンの関係という表現が良いかはわからないが、ラジオとミュージシャンという関係は切っても切り離せない。

そこには絆があるからだろう。

つる
つる

純粋にラジオDJへの愛を歌った曲もあって、こちらの記事でも紹介しているよ!

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Radio Editという形

曲を聴いていると、度々見ることがある「Radio Edit」という表記。

これは、ラジオ放送用に尺を短くしているもので、オリジナルの楽曲と聞き比べるとイントロや演奏の一部が省略されていたりするものだ。

大体、3分40秒前後くらいの尺に収まるように編集されていることが多い。

テキーラ
テキーラ

「Radio Mix」とか言われることもあるな

例外的だったのは、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」(“Bohemian Rhapsody”)だ。

クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」(1975年)

3部編成で構成される曲で、6分間ある曲というのは、ラジオ向きではなかった。

そのため、ラジオでかけることが出来ない、と前評判では散々言われた曲だった。

しかし、ラジオでかかると一気に人気に火がつき、6万枚のヒットとなった。

クイーンについて詳しく書いた解説記事もこちらで紹介しているので、読んでいただけると幸いだ。

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ラジオがテーマの洋楽ソング6選

ここからは、ラジオをテーマにした楽曲をいくつか紹介する。

Autograph – Turn Up the Radio

オートグラフの「Turn Up the Radio」(1984年)

1984年、アメリカ・ロサンゼルス出身の5人組メタルバンド、オートグラフ(Autograph)がリリースした、デビュー・アルバム『サイン・イン・プリーズ』(Sign in Please)に収録されている楽曲。

曲は「毎日労働の日々。仕事が終わった後は、音楽だ!」「ラジオをつけてロックを流せ」という、仕事終わりにロックを聴こうぜといった、言わば労働讃歌的な内容だ。

「Turn up」という表現には「ボリュームを上げる」と「ラジオをつける」のダブルミーニング(ふたつの意味)を持っており、言葉遊びも匠な楽曲だ。

テキーラ
テキーラ

酒よりも、ロックっていう表現がまたいい〜

つる
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ちなみに「れいでぃお USA」っていうダサい邦題がついていたよ

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The Buggles – Video Killed the Radio Star

バグルスの「Video Killed the Radio Star」(1979年)

バグルスは、プログレッシヴ・バンドのイエス(Yes)の元メンバー、トレヴァー・ホーンとジェフ・ダウンズの2人に、ブルース・ウィーリーを加えた3名で結成したグループ。

「ビデオがラジオスター(ラジオでかかる歌手たち)を殺した」と題したこの曲は、ラジオでヒット曲をかけ、ラジオで名声をあげた歌手たちが、ビデオの登場で居場所を失ってしまったということを歌っている。

「ラジオスターの悲劇」という邦題からも、時代の入れ替わりを感じ取れる。

また1981年に開局したMTVの放送で、1番最初に放送された楽曲としても有名だ。

つる
つる

MTVの登場で「音楽を聴く」から「音楽を観る」っていう形に変化したよね

テキーラ
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MTVが登場する前にリリースされていたから、時代を予言していたのかもしれないな〜

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Queen – Radio Ga Ga

クイーンの「Radio Ga Ga」(1984年)

クイーンの「Radio Ga Ga」は、1984年のアルバム『ザ・ワークス』(The Works)に収録されている楽曲だ。

ドラムのロジャー・テイラーの子供が赤ちゃんの時に「Radio Ca Ca」と何気なく発した言葉をヒントに作曲したもの。

「ラジオからたくさんのことを学び、ラジオが僕を成長させてくれたラジオよ、君のことは、まだ誰かが愛してくれているよ」とラジオ愛をテーマに歌っている。

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Tiffany – Radio Romance

ティファニーの「Radio Romance」(1988年)

デビー・ギブソンと並ぶ人気を持ち、80年代のティーン・アイドルの先駆けであるティファニー(Tiffany)。

彼女の2ndアルバム『フレンズ』(Hold an Old Friend’s Hand)に収録されているのが「Radio Romance」だ。

「あなたに込めた愛のメッセージを、ラジオのDJがリクエスト曲と一緒に伝えてくれるわ」と奥手な女性がラジオを通して、愛のメッセージを送るという内容だ。

テキーラ
テキーラ

ラジオという電波を使って告白するって、なかなかオモロい発想だな

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Journey – Raised on Radio

ジャーニーの「Raised on Radio」(1986年)

アメリカのロックバンド、ジャーニー。

そんな彼らの黄金期の最後を飾ったアルバム、『Raised On Radio〜時を駆けて』(Raised On Radio)に収録されているロックナンバーが、「Raised on Radio」だ。

ボーカルのスティーヴ・ペリーはこう歌う。

「俺たちはラジオを聴いて育った」(We’re all raised on radio)と。

メロディカルなロックに合わせて歌われる詩には、50年代から60年代に活躍した、ラジオスターたちの名曲が登場する。

以下がその一例だ。

歌詞に登場する曲名
アーティスト名曲名
プラターズThe Great Pretender
エルヴィス・プレスリーReturn to Sender
Love Me Tender
リチャード・ベリー/キングスメンLouie Louie
シェリー・フェブレーJonny Angel
ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツRock Around the Clock
バディー・ホリー&ザ・クリケッツPeggy Sue
ファッツ・ドミノBlueberry Hill
ジーン・ヴィンセントBe-Bop-a-Lula
トーケンズThe Lion Sleeps Tonight

このような曲を聴いて育ってきたと、ラジオ愛を感じるナンバーだ。

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Tom Petty & the Heartbreakers – The Last DJ

トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの「The Last DJ」(2002年)

「The Last DJ」 は、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの11枚目のアルバム『The Last DJ』の一曲目を飾ったセルフ・タイトル曲だ。

「The Last DJ」は直訳すると「最後のDJ」という意味。

この曲では、会社と利益のために言いなりになってしまうラジオDJたちが、自分たちの居場所をなくしていく物語が歌われており、最後は国境を越え、メキシコでラジオDJをしているという結末を迎えるというストーリーが描かれる。

時代の変化とともに、隅へ追いやられていくラジオDJたちを歌うという点で、バグルスの「ラジオスターの悲劇」(Video Killed the Radio Star)と共通するテーマを持っている。

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まとめ:見えてくるミュージシャンとラジオの関係性

なぜミュージシャンが、ラジオについて歌うのかを考察してきた。

答えは一つではないし、真相はミュージシャン本人にしか分からない。

しかし彼ら、彼女らが歌う歌詞や時代の背景をたどると、「ラジオ愛」や「ラジオへの憧れ」、「ラジオへの感謝」といったキーワードが見えてきた。

私は少しでもラジオを聴いてほしいと日々思っている。

垂れ流しでも構わないし、ふとした瞬間に、「これ好きかも」と新しい曲の発見をしていってほしい。

ラジオと洋楽についての記事、【考察】洋楽好きがラジオを聞く本当の理由〜おすすめラジオ番組7選〜も合わせて読んでいただければ、もっと深く興味を持ってもらえるはずだ。

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それではよき洋楽ライフを!

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音楽ブロガー・ライター/イラストレーター/ミュージシャン
音楽に取り憑かれたロックン・ロール信者。中でもとにかく洋楽が好きで365日毎日聴き続けている。大学生の頃アメリカ留学中に受けた授業「ロックの歴史」に感銘を受け、そこから"次世代の小林克也"を目指すようになる。

CD、カセット、レコードなどアナログで鑑賞、アルバムを手に取ってはニヤニヤする変態。特技は80年代洋楽をミュージックビデオと共に1時間鑑賞する事。

日本全国、いや全世界にロックを必修科目にさせるべく日々魅力的な記事を投稿中。
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