【第7回】マイリー・サイラスの「Flowers」を紹介・解説

マイリー・サイラス、フラワーズ解説
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このカテゴリーでは主に楽曲解説にフォーカスしています。

あの曲は、何を歌っているのか?有名な曲だけど、歌詞の内容までは知らない。

なんとなく歌っていたあの曲ってそんな歌だったの、といった疑問を解決するコーナーとなっています。

今回紹介するのは、マイリー・サイラスの “Flowers” です。

アルバム『エンドレス・サマー・バケーション』の一曲目を飾り、グラミー賞を受賞した楽曲。

いったい何を歌っているのか、一緒に見ていきましょう。

この記事で分かること
  • 曲の意味、背景、誕生秘話
  • 歌詞や使用楽器など多方面からの考察

アルバム『エンドレス・サマー・バケーション』の全曲レビュー記事はこちらから読めます。

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曲の概要

基本データ
  • アルバム『エンドレス・サマー・バケーション』に収録された楽曲。
  • 【第66回グラミー賞】にて最優秀ポップ・パフォーマンス(ソロ)賞を受賞。
  • 私生活を元に、自己愛と成長を表現した楽曲。
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“Flowers” の意味

「Flowers」の英語の意味
単語発音意味
FlowerUK:*/ˈflaʊər/
US:/ˈflaʊɚ/ ,USA pronunciation: respelling(flouər)
名詞(n):花、花束
自動詞(Vi):〜に成長する、〜に変身する、〜に化ける

【参考】WordReference.com /オンライン言語辞典

“Flower”は名詞では「花」という意味がありますが、自動詞では「〜に成長する」「〜に変身する」という意味もあります。

歌のテーマである「自己愛」と生まれ変わったマイリー・サイラスの「成長」を意味するとも捉えることができます。

続いて歌の内容に入っていきましょう。

曲の内容

歌の内容は自己愛と成長を歌った内容で、マイリーの力強さを感じます。

ではどのような背景があるのか見ていきましょう!

マイリー・サイラスとリアム・ヘムズワース

マイリー自身は詳しくは語っていませんが、歌の節々から実際の出来事を元にしたのではないかと推測できます。

すべての始まりは、オーストラリアの俳優リアム・ヘムズワースとの出会いから始まります。

2010年の映画『ラスト・ソング』で彼と出会ったマイリー。

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くっ付いては離れと紆余曲折しながらも、2人は2018年12月に結婚。

その経緯は、同年11月に起きたカリフォルニア州の自然火災により、マリブにある住まいが焼失したという背景があったからと言われています。

そしてお互いが必要で支え合おうという強い意思から結ばれたそうです。

しかし結婚生活は続かず、2020年1月に離婚という辛い経験をしてしまいます。

つる
つる

皮肉にも、映画『ラスト・ソング』と同じ様な流れになってしまったね。

テキーラ
テキーラ

離婚を経験した父親と夏休みを過ごしているロニー(マイリー・サイラス)が海岸で青年のウィル(リアム・ヘムズワース)と出会う恋愛映画だったな〜

「Flowers」のデモバージョンから分かること

マイリーはリアムとの経験を歌に反映します。

「あの頃はよかった、2人とも黄金に輝いていた」

「家を建てたけれど、焼け崩れて行ったわ」

という最初のヴァースで歌われているところからもよく分かります。

製作されたこのデモ曲は完成形とアレンジが全然違います。

悲しさを重視したスローなテンポで演奏されており、ローズ・ピアノ(Rhodes Piano)が哀愁漂う雰囲気を作り出し、典型的な”サッドソング”にお向きを置いています。

【出典】Rhodes® Instagramより

またローズ・ピアノ(Rhodes Piano)自体も、戦争へ向かう兵士たちの音楽療法として使用された背景があります。

完成形でもローズ・ピアノ(Rhodes Piano)は演奏され、それに加えてウーリッツァー(Wurlitzer)も演奏されているので、より一層 “情に訴えかける表現” を演出しています。

ミュージックビデオからの考察

【出典】Miley Cyrus – Flowers (Official Video)|Miley Cyrusより

YouTubeで公開されたミュージックビデオは、7億7900万回以上再生されています。(2024年5月現在)

主に以下の3部構成になっています。

“Flowers”ミュージックビデオの構成
  1. 過去の自分との別れ
  2. 自分自身を再構築
  3. 晴れて輝く成長した自分

過去の自分との別れ

【出典】Miley Cyrus Instagramより

まず冒頭シーン。

黒のサングラスをかけ表情の見えないマイリーが登場。

金色のドレスに身を包んだ彼女は、ハイウェイの上の歩道橋を淡々と歩いていきます。

次のシーンでは、フードを剥ぎ髪を束ねるマイリーは、リズムに合わせて腰を振りながら坂道を登っていきます。

この最初の1分までに表現されているのは、「過去の自分との別れ」を意味していると考えられます。

なぜなら冒頭で歩く彼女の背後には、朝日が登っていく様子が見えるからです。

そして坂を登っていくシーンは、人生の上り坂を意味しているとも解釈できます。

つる
つる

マイリーが着ているのは、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)のヴィンテージ・ドレスだよ

テキーラ
テキーラ

1991年秋のランウェイで紹介されたドレスらしいな〜

【参考】Miley Cyrus Has a Mic Drop Moment in Vintage Yves Saint Laurent|VOGUE

自分自身を再構築

【出典】Miley Cyrus Instagramより

芝生でドレスを脱ぎ、ビキニ姿をあらわにするマイリー。

芝生にはスプリンクラーが動き出し、殻に閉じこもっていた種が発芽しする様子にも見えます。

その後、彼女はプールに飛び込みます。

水の中に入ることで自分自身を”浄化”しているとも言えるでしょう。

またバタフライやクロースでなく、平泳ぎをするのは「少しずつ新しい一歩を歩んでいる」ことを表し、プールサイドで横になり腰を動かすシーンは、水を与えられた植物が日光を浴び花を咲かせる前段階と考察できます。

次に移されるのは、トレーニングシーン。

カメラに向かってバトルロープ、ベアクロールとスパイダープッシュアップを組み合わせたトレーニング、片足バーピーをする姿などが映し出され、真剣な眼差しで肉体を鍛え上げます。

肉体のトレーニングが意味しているのは「肉体的強さ」を象徴するシーンと解釈できます。

それからヨガをするシーンでは微笑みを浮かべるのですが、ここでは彼女の「精神的強さ」が表情から現れています。

“Flowers”の中でマイリーが行ったトレーニング
Q
①バトルロープ(Battle Ropes)

頑丈な縄を上下に波打つように振る全身運動。

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②ベアクロール+スパイダープッシュアップ(Bear Crawls to Spiderman Pushups)

四つん這いになりながら前に進むベアクロールに、スパイダーマンが壁を這う様に腕立ての状態から片足を外側に開くスパイダープッシュアップを組み合わせたトレーニング。

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③ランジ+ニードライブ(Lunge to Knee Drive)

大股で歩いた時のように、片足ずつ負荷をかける下半身のトレーニングのランジと体幹を固めて膝の曲げ伸ばしをするニードライブを組み合わせたトレーニング。

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④グルートブリッジ(Glute Bridge)

お尻の筋肉を重点的に鍛える下半身のトレーニング

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⑤バーピージャンプ(Burpee)

ジャンプとプッシュアップ(腕立て)を連続で行う全身運動。

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⑥バードドッグ・クランチ(Bird-Dog)

片手と片足を真っ直ぐ伸ばすことで体幹を鍛えるトレーニング

【参考】Miley Cyrus’s “Flowers” Workout Deserves Its Own Award — Here’s the Routine|POPSUGAR

How To Train Like Miley Cyrus In “Flowers” |Women’s Health Australia

晴れて輝く成長した自分

【出典】Miley Cyrus Instagramより

「過去の自分と別れ」「自分自身を再構築」するという過程を経てマイリーは成長をします。

花(Flowers)で例えるならば満開の状態でしょう。

シャワーを浴び、上下黒のセットアップに身を包んだ彼女は踊り出します。

全身で自分自身を認め、愛することをできた彼女はまさに満開の花。

つる
つる

自分自身を抱きしめるシーンからもそう分かるね

最終的にはヘリコプターからのスポットライトを浴びるまでに成長しました。

そう、”Flowers”はまさに「自己愛」「成長」の歌なのです。

まとめ:「Flowers」を聴いて欲しい

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シングル『Flowers』が発表される時、宣伝文句には、こんな言葉が添えられていました。

NEW YEAR, NEW MILEY, NEW SINGLE, FLOWERS, JANUARY 13

(ニュー・イヤー、ニュー・マイリー、ニュー・シングル、フラワーズ、1月13日)

【出典】Miley Cyrus Instagramより

ミュージックビデオではファンキーなリズムに乗せ淡々と歌う姿を見せたマイリー。

逆境を乗り越えた強い女性マイリーを歌った渾身の一曲です。

ぜひあなたも、あなた自身に “Flowers”(花)を贈ってみてはいかがでしょうか。

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音楽ブロガー/イラストレーター/ミュージシャン
音楽に取り憑かれたロックン・ロール信者。中でもとにかく洋楽が好きで365日毎日聴き続けている。アメリカ留学中に受けた授業「ロックの歴史」に感銘を受け、そこから次世代の小林克也を目指すようになる。

CD、カセットなどアナログで鑑賞、アルバムを手に取ってはニヤニヤする変態。特技は80年代洋楽をミュージックビデオと共に1時間鑑賞する事。

日本全国、いや全世界にロックを必修科目にさせるべく日々記事を投稿中。
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