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【ライブレポート】グリーン・デイの15年ぶりの来日公演はまさに革命。民衆を率いる彼らが見せたKアリーナ横浜のロック劇場【GREEN DAY JAPAN TOUR 2025】

Green Day Japan Tour 2025 at Kアリーナ横浜のライブレポート
axlcity
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

2025年2月、ポップパンクの神童グリーン・デイが帰ってきた。今回の来日はコロナ禍により5年前の来日公演をやむなく中止もあり、単独公演ではなんと2010年以来15年ぶりというブランクを開けて戻ってきたといものだ。鬱憤が溜まりヒステリック状態のジャパニーズキッズたちを興奮の渦に再び巻き込む圧巻のステージ。最新アルバム『セイヴィアーズ』を引っ提げてやってきた彼らのライブを初体験したので早速レポートしていく!

この記事でわかること
  • 公演前の会場の様子
  • グリーン・デイのライブの雰囲気や演出
  • セットリスト
  • 公演後の会場の様子
  • 物販の混雑具合
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ライブ前の会場の様子

Kアリーナ横浜正面入り口

今回は軽めの昼食済ませ途中道に迷いながらも15時30分頃にKアリーナに無事到着。すでに会場の周りには今夜のオーディエンスたちが集まっており、アリーナ正面にはギャラリーが出来ていた。

それにしてもKアリーナはめちゃくちゃデカい。周りは高い建物があるせいか遠くからはその大きさには気づかないのだが、間近でみると迫力がある。

物販の様子

グッズ販売の先頭の列

さて、グッズ販売なのだが、だいぶ見誤ったかすでに体感的に7000〜10,000人くらいは並んでいるのではと思うほどの行列。Kアリーナをぐるっと一周と入り口右手側にある100mの列には折り返し4往復の列ができており、この一角だけでも500人くらいはいそうな印象だ。ただ15時から17時はチケットを持っている方のみが購入できるシステムを導入しているためか、進みがスムーズだ。(体感10分で100m進むイメージ)

グッズのサンプルと販売テント

しかし16時13分、3分の1ほど進んだところでコラボ商品が全品完売とアナウンス。17時過ぎにテント前まで行き、結局購入できたのはその30分後であった。

つる
つる

待ち時間はグリーンデイの曲が流れてたから飽きずに済んだね。

ファンと周辺の様子

開場時間の様子

ファン層は昨日のMR.BIGとはガラッと変わり、上は50〜60代前半くらいで下は中高生という感じだろう。圧倒的に若いファンが多い。日本公演を見に来るため遥々海外から来たであろう外国人の親子や友人、レザージャケットを羽織ったパンクな集団、夫婦、カップル、友人と2人で来ているなどが多く方を見受けられた。

会場外の屋台
Guns N’ Rosesのプロモーション広告

また会場の外では屋台も出店しており、軽食を済ませるために並ぶ行列も出来ていたり、場外にある大きなモニターには、Kアリーナで5月に来日公演を行うガンズ・アンド・ローゼズのプロモーション広告が流れたりしていた。

テキーラ
テキーラ

なぜか半袖姿でブルブル震わせながら開演時間を待つファンもいたぞ。

開場時間、いざKアリーナ内部へ入場

正面入り口で写真を撮るファン

グッズの購入が終わり、時間を見ると開場時間である17時30分。すでに入口は2時間前とは違い真っ直ぐ歩くのも難しいくらいのファンで囲まれている。我先にと入場する者もいれば、階段で座りながら談話を楽しむ者自撮りに励む者など多く見受けられる。持ち物検査を済ませ15分遅れで入場したのだが、Kアリーナ内にもお洒落なバーやフードコートがあり、ライブ前のエネルギーチャージができる場所が各フロアに設置されていることを初めて知った。

Level7にあるバー
フードコートの様子
開演前のスタンディングの様子

Gateを抜け自分の座席の位置に着くと、すでにスタンディングの6割は埋まっており、いつモッシュが起きてもおかしくない勢いだ。1時間後にはスタンディングはほぼ満杯状態。他の会場同様スモックが焚かれているのだが、場内は黒基調なのでそこまで目立たない印象だ。

サポートアクトのおとぼけビ〜バ〜が登場

前座を務めるおとぼけビ〜バ〜

18時30分に突如スタンディングエリアが暗転し、始まるのは4人組ガールズパンクバンド、おとぼけビ〜バ〜の前座が始まる。男顔負けな鬼のシャウトにラウドなサウンドがバチバチにキマッている。これに応答するGreen Dayのオーディエンスも「Ho-Ho」と掛け声を返しノリがいい。物販エリアで5万5千円払わないといけないこと、利益率はTシャツが1番いいなど等身大でリアルなコメントを短いMCで語っていたのも面白かった。

全14曲を演奏し「次はグリーン・デイ」と言葉を残してサポートアクトは終了。開演まで残り1分残したところだ。

機材の入れ替えをするローディーたち

チープ・トリックやビリー・アイドル、R.E.Mが流れるなか、ローディーたちがスピーカー、アンプなどの入れ替えの準備をしている。開演時間19時を過ぎる一方、始まる様子はない。入念にサウンドチェックや演出のチェックが行われているローディーたちとひたすら待ち続けるオーディエンスの静と動のコントラストが緊張感を生む。

この頃には指定席もほぼ満席、ずらりずらりと遅れて入場してくるファンの中には仕事終わりであろうか、スーツ姿のサラリーマンも見受けられた。日々の疲れからの解放、エネルギーをもらいに来ているファン、自分の席を探すのに必死になっているファンの様子をうかがえる。

つる
つる

ドラムのチェックは特に入念にしてて、10分弱かかってたよ

19時15分にアナウンスが始まり、それに被せる様に歓声と指笛などが重なりを響かせるがまだグリーンデイが出てくる様子はない。

ライブ開始

「Bohemian Rhapsody」の合唱とパンクバニーの登場

19時30分、突如会場内は暗転。開演予定時間を30分押して流れ出したのはクイーンの大名曲「Bohemian Rhapsody」だ。曲が流れ出すと会場のファン2万人は総立ち、Green Dayのライブは初めてなのだが、オーディエンスの大合唱がフル尺で歌われ、その一体感のある様子は左右2つのモニターに映し出される。オペラパートでは手拍子が大きくなり準備運動は完了。

オープニングで登場するパンクバニー

しかし、ラモーンズの「Blitzkrieg Bop」と共にパンクバニーと呼ばれるウサギのマスコットキャラクターが急に登場。ノリノリのこの子はステージの上手下手、花道へ駆け寄って手を振りジャンプ、アクロバティックに逆立ちしたりTシャツを使って股間を拭き投げ捨てる。なんとじゃじゃ馬なバニーだ!しかし、最後は曲の終わりと共に女性スタッフに強制退場されてしまうおちゃめなコメディ劇場になっていた。

「帝国のマーチ」で登場するグリーン・デイのメンバー

ダース・ベイダーのテーマ曲で知られる映画『スター・ウォーズ』の「帝国のマーチ曲」をバックにモニターにはオープニング映像が流れ出す。ここには『ドゥーキー』30周年と『アメリカンイディオット』20周年の他、過去のミュージック・ビデオのクリップや各時代と共に変化していったロゴが映し出され、Green Dayが歩んできた歴史を振り返るのだ。その背後には「The American Dream Is Killing Me」の掛け声や「We Will Rock You」「I Love Rock n’ Roll」がミックスされており、今か今かと待ち遠しい中、それに合わせて走って登場するメンバーが現れる。

“The American Dream Is Killing Me”で幕を開ける横浜公演

「Viva ジャパーン!」との第一声で、1発目の「The American Dream Is Killing Me」でスタート。最新アルバム『セーヴィアーズ』からのナンバーで今回のツアーでは必ず最初に披露する曲だ。突破口として横浜に強力な弾丸を撃ち込む。

「トウキョウ、ヨコハマ! 立ち上がって手を挙げろー!」「俺が”1,2,3,4″と言ったら、一番後ろの人まで、みんな飛び跳ねてくれ。俺はそれが見たいんだ。準備はいいか?」との掛け声で革命の民衆と化したKアリーナのオーディエンスは拳を高々と上げ、我を忘れて飛び跳ねる。私のいる指定席も狭いスペースではあるが周りは皆上下にシェイクしまくっていた。Oh My God!!

ステージ左右後方から吹き出す炎
テキーラ
テキーラ

灼熱の炎がビートに合わせて発射するのとか冷えきった会場には必須アイテムだな。

『ドゥーキー』パートに入り大興奮のライブ

切り裂いた写真のようなフレームに映し出されるビリー

ビリー・ジョー・アームストロングの曲紹介は非常に単純だ。「ウェカン・トゥ・パラダァァァイス」と一言だけ曲名を叫びながらリフを弾けば泣く子も黙るから。ここから「Welcome To Paradise」をはじめ「Longview」「Basket Case」 「She」と4曲連続でメジャー・デビュー・アルバム『ドゥーキー』のパートに突入。炎を上げていた一曲目の演出に加え、ステージ上部からは花火が吹き出し爆発音を響かせた。「Welcome To Paradise」では「ジャパン!イチバン!」と声を荒げ日本語を発する度にオーディエンスは気絶寸前だ。いやむしろ気絶していたかもしれない。

“Longview” を演奏するトレ・クール

メンバー間のやりとりも面白い。「Longview」の印象的なベースのリフで花道に登場したマイク・ダーントなのだが、弾き終わり戻ろうとするとビリーに追い返されており、デビュー当時から30年以上共にいる仲の良さが伝わる場面を見れた。

中でも一番盛り上がったのは彼らの名刺代わりとも言える「Basket Case」。演奏前にマイクスタンドに寄り掛かり、お茶目に眉毛を動かすという溜めの静寂を作りあげ、注目を集めたところで “Do you have a time…”とリフと共に歌が始まるとシンガロングが360度巻き起こる。周囲のお客さんの口元を注意深くみるとみんな口を揃えて歌っているではないか。気がついたら私も自然と歌い出し、あるがまま体をグルーヴに任せていた。そう、ロックの魔法にかけられてしまったのだ。

観客席の上を舞う飛行船

その後曲は再び『セーヴィアーズ』と『ドゥーキー』を交互に演奏、「Strange Days Are Here To Stay」から「When I Come Around」と繋がるとステージ上手からDookieの飛行船が登場。観客席めがけてゆっくりと浮上するそれは場内を一周。途中でアルバムのジャケットに描かれている白い爆弾を投下していった。もちろん風船でできているから安心してくれ。

つる
つる

“BAD YEAR”と書かれた飛行船の正面にはよく見ると”しょんぼりした顔”が描かれていたよ。

テキーラ
テキーラ

犬の着ぐるみを着たドゥーキー犬?が引っ張ってたな。

「Know Your Enemy」で観客をステージにあげるビリー

“Know Your Enemy”でステージに上がったファンとビリー

続いては「Know Your Enemy」、爆音でかき鳴らされるギターリフを聞いた瞬間、まるでパブロフの犬のようによだれが出るほど反射的に興奮するオーディエンスはロックに無我夢中だ。いやロック中毒といった方が正しいだろう。

それはさておき、ビリーはここで「誰か歌詞がわかる人は?歌えるか?」と最前列周辺に向かって質問を投げかけると、とあるラッキーガールが見事選ばれた。毎度恒例行事になっている観客をステージにあがらせるパフォーマンスが行われたのである。ライブ映像でしか見たことがなかったので、実際にこの瞬間を目撃できた残り19,999人のファンも全員ラッキーと言っても過言ではない。なにせ15年ぶりの単独公演だからな。

ノンストップで新曲とヒット曲の演奏〜メンバー紹介へ

“21 Guns”を演奏するバンドとスマホのライトを照らす観客

ライブ開始から30分ですでに8曲を演奏したグリーンデイ御一行。ライブはまだまだ前半戦、体もあったまってきたところだ。小休止なしで「Revolution Radio」「Dilemma」と続き日替わり演奏の「Coma City」へ。「21 Guns」では観客はスマホのライトを横浜の夜景のように美しく照らし、横浜グルーヴの芸術作品が一夜にして出来上がった。

盛り上がる観客

続く「Minority」ではスイッチを切り替えたかのようにジャンプしまくりの大盛り上がり。昨今「ロックは死んだ」とか言われるが、ロック好きは決してマイノリティーではないと証明された瞬間である。

つる
つる

ライブならではのギターソロも技術が進化しててカッコよかったな。

「Minority」の演奏中には日本への感謝とメンバー紹介が行われ、以下のように語っていた。

ビリーによるメンバー紹介 (サポートメンバーの紹介)

東京!準備はいいか!?君たちを本当に愛してる!もう、マジで日本が大好きだ。この国は本当に美しい。ありがとう!

今夜、俺の右側にいるのは、レディース・アンド・ジェントルメン、ギター担当のミスター・ケヴィン・プレストン! 

そして左側にいるのは、彼は俺にめちゃくちゃ汚いミームを送ってくるんだよ。マジで気持ち悪くなるレベルでね(笑)。レディース・アンド・ジェントルメン、キーボード担当、ミスター・ジェイソン・フリーズ

出てこい、このスカム!(笑)そしてギター!1999年から俺たちと一緒にいる男!レディース・アンド・ジェントルメン、ミスター・ジェイソン・ホワイト

ビリーによるメンバー紹介 (マイク&トレの紹介)

レディース・アンド・ジェントルメン、ベースギターのゴッドファーザー!マイク・ダーント

レディース・アンド・ジェントルメン、世界で最も危険なドラマー!トレ・クール

まさかの「リンダ リンダ」〜「Brain Stew」へ

スポットライトがビリーに集まりギターソロを弾くのだが、なんとそこでTHE BLUE HEARTSの「リンダ リンダ」のサビの部分がサプライズ演奏された。クリーントーンの美しいサウンドで奏でられたギター、これに合わせるようにオーディエンスは大合唱が巻き起こる。「THE BLUE HEARTS」と一言添えて、荒々しいリフが印象の「Brain Stew」が始まると観客席からは息の合った雄叫びが共鳴する。吹き出す炎とマイクの野太いベースが会場の揺らし、地盤が緩んでもおかしくないくらいの地響きが鳴った。

つる
つる

マジで座席も揺れてて、IMAXの映画でも見ているかのようだったよ

後半戦から「American Idiot」パートへ

『American Idiot』の巨大バルーンとサブリミナルを皮肉った映像

「Brain Stew」のドスの効いたアウトロが演奏される中、炎と共に登場したのがお馴染みのアイコン、ハート型のグレネードを握りしめた巨大バルーンだ。

切り裂くようなカッティングで始まる「American Idiot」を皮切りに同名のアルバムパートへと突入する。世界情勢や社会の混乱、メディアに踊らされているバカにはなりたくないと痛烈なメッセージを込めたこの歌は20年以上たった今でも色褪せず、むしろ進化している。真っ赤に染まったステージ、スクリーンに映る映像にはサブリミナルによる洗脳を皮肉った演出が施されており、リアルで聞く体験をするとメッセージが肉体を駆け巡り開放感がすごい。

つる
つる

この日の歌詞は”redneck agenda”だったね

St.ジミーと化すビリー・ジョー・アームストロング

反戦をテーマにした”Holiday”と兵器にバツ印をつける演出

「1,2,1,2,3,4」の掛け声で始まる「Holiday」では “no war”と白字で書かれた文字が揺れうごき、反戦をテーマにしたこの曲はまるでKアリーナが「ラジオフリーダム・グリーンデイ」と言う名の特大放送局になったであるかのように、悲痛なメッセージを発信していた。

“Are We Waiting”で日本国旗を肩にかけるSt.ジミーことビリー・ジョー
グレネードを握りしめるSt.ジミー

この時には既にビリー・ジョー・アームストロングはSt.ジミーへと第二形態に変化、それは「Boulevard Broken Dreams」,「Are We Waiting」,「St. Jimmy」,「Give Me Novacaine」とサバービアのジーザスからSt. ジミーへ移り変わる組曲が歌われているところからもわかるのだ。大合唱は止まず「歌えー!」と言うビリーに応答するように会場は共鳴、アコースティックナンバーの「Give Me Novacaine」では “Give Me Tokyo, Japan”と歌詞を変えて締めてくれた。

この瞬間を共有する魔法の時間

この瞬間を共有しようと語りかけるビリー

「Letterbomb」を演奏すると後半ビリーは以下のようなMCを語る。

ビリーのMC

今、どんな気分だい?俺は最高の気分だよ。君たちのおかげで、こんなにも幸せな気持ちになれる。それこそが、この瞬間がすべてなんだ。この時間を一緒に分かち合おう。

俺たちは 音楽のために ここにいる。音楽は魔法だ。手でつかむことも、目で見ることもできない。だけど、心で感じることができる。魂で感じることができるんだ。

だからカメラを、スマホを下ろすんだ。

スマホが普及してなんでも身近なものを記録に保存したくなる一方、その瞬間、瞬間を心から楽しむことを忘れていた我々現代人。人間本来の感覚を呼び覚ましてくれる場面を作ってくれたビリーには感謝しきれない。会場にいた誰しもがハっと気付かされる瞬間であっただろう。

テキーラ
テキーラ

俺たちは「フレンド」「ファミリー」だ。そして今夜「新たな友達」になれるかもしれないと語ってたのもグッと来たよな〜

オーディエンスを巻き込むロック劇場はまだまだ続く

“Wake Me Up When September Ends”を演奏するバンド

暗転した会場にブルーのライトを灯すとパンク・バラード曲「Wake Me Up When September Ends」が始まると、既に一心同体となった2万人のオーディエンスはスマホのライトをつけ美しく照らす。

空気感が一気に変わったのは「Jesus Of Suburbia」だ。サバービアのジーザス(救世主)についての生い立ちや生まれ育った環境や時代背景を歌った曲なのだが、バンドの半生とも解釈できる歌でもある。そして、今まさに郊外から生まれ世界を席巻するほど成長したバンドが目の前に、同じ空間にいるのだ。

『セーヴィアーズ』からのナンバー「Bobby Sox」では再び日本への感謝を述べ、観客にしゃがむように指示。ライブ序盤でも行った「1,2,3,4」のカウントダウンで飛び跳ねるとステージ最前列ではコンフェッティ(紙吹雪)が吹き荒れるという完璧にKアリーナを支配しているバンドの姿をうかがえた。

つる
つる

もうすぐ初来日してから30年になるよととも語っていたね

ラストナンバーはファンの「Good Riddance (Time of Your Life)」の演奏で締める

ビリーとデュエットするファン

暗転したステージにはアコースティックナンバー「Good Riddance (Time of Your Life)」を演奏するために軽く音鳴らしをするビリーが登場。スポットライトが彼に当たるのだが、なんと最前列近くで「Let me play Good Riddance」と書かれたメッセージボードをもったファンがステージに上がったのだ。

「うおー」と驚きと嬉しさが混ざった歓声が聞こえる中、「おいで、どうなるか見てみよう」と言ったビリーに抱きつくファン、首に抱えていたグッズのトートバッグを外してあげると「俺は彼のお母さんだぜ」とジョークをかます。

テキーラ
テキーラ

ギターを落としそうになるヒヤリとする瞬間もあったな

緊張が走る中、観客席からは大声援が響き渡り、ファンの演奏がスタート。それに合わせてビリーが歌うデュエットが出来上がると、私の周囲にいたファンも男泣きする人や「すげー」と友人たちと感激するファンが多く見られた。

メンバー全員とふれあい幸せいっぱいのファン

最後に再びコンフェッティが噴射されるとステージのファンを取り囲むようにメンバーが3人が寄り添う感動的なシーンを目撃した。その後お茶目なトレはバケツいっぱいのドラムスティックを客席に向かって放り投げる。最後は腕いっぱいに振り回しバケツをシンバルに向かって投げるのだが、今回は惜しくもヒットせず。

走り去っていくトレを大歓声と拍手で見送るとライブは終了。21時28分、118分のロックショーは幕を下ろした。

つる
つる

後日ステージに上がった彼は、ラジオのインタビューを受けていたよ

【出典】RADIO. RADIO. With George Williams (@radioradio_897) Xより

ライブ後の会場の様子

ライブ終わりのファンの様子

ライブが終わると耳が変な感じがする。爆発音と音響の良さが合わさって耳の詰まった感じがまた異次元なのだ。いや、むしろ心地よい。ここまで終わった後の身体的副作用はGreen Dayが初めてだ。

会場名と日付が書かれた記念カード

ライブが終わると出入り口ではこの日の日付と会場名が記載された記念カードが配られており、デジタルチケットでは物足りないファンへの最後のサプライズが待っていた。終電に間に合わせるために早足で帰路に向かう者、思い出に写真を撮るものなどよく見る光景がKアリーナでも見られる。

横浜駅まで帰る途中では「絶対来たらまた行こう」「あと10年はいける」という声のほか、「今まで観たライブで1番良かった」とつい心の声が漏れてしまう方までいて、グリーン・デイの及ぼす影響力はすごいと客観的に感じ取れた。

GREEN DAY JAPAN TOUR 2025のセットリスト(2025年2月26日(水) Kアリーナ横浜)

2025年2月26日(水) @Kアリーナ横浜公演(SET LIST @K-ARENA YOKOHAMA)
項目曲名収録アルバム
SE
SE1Bohemian Rhapsody『A Night at the Opera』
(オペラ座の夜)
SE2Blitzkrieg Bop『Ramones』
(ラモーンズの激情)
オープニング
1The American Dream Is Killing Me『Saviors』
(セーヴィアーズ)
『Dookie』パート
2Welcome To Paradise『Dookie』
(ドゥーキー)
3Longview
4Basket Case
5She
6Strange Days Are Here To Stay『Saviors』
(セーヴィアーズ)
7When I Come Around『Dookie』
(ドゥーキー)
8Know Your Enemy『21st Century Breakdown』
(21世紀のブレイクダウン)
9Revolution Radio『Revolution Radio』
(レボリューション・レディオ) 
10Dilemma『Saviors』
(セーヴィアーズ)
11Coma City
1221 Guns『21st Century Breakdown』
(21世紀のブレイクダウン)
メンバー紹介
13Minority『Warning』
(ウォーニング)
14リンダ リンダ/Brain Stew『THE BLUE HEARTS』(ザ・ブルー・ハーツ)/『Insomniac』(インソムニアック』)
『American Idiot』パート
15American Idiot『American Idiot』
(アメリカン・イディオット)
16Holiday
17Boulevard Of Broken Dreams
18Are We The Waiting
19St. Jimmy
20Give Me Novacaine
21Letterbomb
22Wake Me Up When September Ends
23Jesus Of Suburbia
24Bobby Sox『Saviors』
(セーヴィアーズ)
25Good Riddance (Time Of Your Life)『Nimrod』
(ニムロッド)

まとめ:グリーン・デイのライブは革命そのもの

「没入感」。それが今回グリーン・デイのライブに行った1番の感想だろう。拳をつき上げ、手を左右に振る、ジャンプしろとの声に反応しロックを全身全霊で感じる。2時間立ちっぱなしで足が痺れるだけでなく、ロックな高揚感が汗と共に溢れてくる、それがグリーン・デイのショーだった。

そして、ファンを2度もステージにあげてライブを締めさせる寛大さ、サービス精神がこのトリオの素敵な一面である。”横浜” とは冒頭で1度しか言わなかったが、何度も「トウキョウ!」と叫ぶビリージョーからはとにかく日本への愛を感じられた。スマホを下げさせ一期一会のこの瞬間を盛大に楽しもうというシーンもあり、忘れかけていた大事なものを取り戻させ、記憶に留めておこうというキッカケを与えてくれた。

私自身、グリーン・デイのライブは今年1月末に行われ、世界同時配信された「FIRE AID」をYouTubeで観た以来。そして人生で初めて生のグリーン・デイのライブに行ったのだが、アルバムを聴くのとはやはり訳が違う。

『ドゥーキー』30周年、『アメリカン・イディオット』20周年の記念すべきライブは海外の公演とは違いアルバム再現のフル演奏ではなかったものの、”ベスト・ヒット・ライブ” といった形式で幅広いファンが楽しめるようになっていたのも今回のライブの良かった点でもある。

ライブの素晴らしさを改めて感じさせられた夜であった。

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管理人:つる
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音楽ブロガー/イラストレーター
音楽に取り憑かれたロックン・ロール信者。中でもとにかく洋楽が好きで365日毎日聴き続けている。大学生の頃アメリカ留学中に受けた授業「ロックの歴史」に感銘を受け、そこから"次世代の小林克也"を目指すようになる。

CD、カセット、レコードなどアナログで鑑賞しアルバムを手に取ってはニヤニヤする変態。特技は80年代洋楽をミュージックビデオと共に1時間鑑賞する事。

日本全国、いや全世界にロックを必修科目にさせるべく日々魅力的な記事を投稿中。 寄稿などのお仕事はお問い合わせからお願いします。
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