【ディスクレビュー】ボン・ジョヴィの名盤アルバム『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』を全曲解説して分かったこと
暑い、暑いぞ2024年の夏。
この記事を投稿した7月7日は気温は40度にまで登った。
織姫と彦星も夏バテしそうだ。
そんなクソ暑い日本の夏、この小麦色に日焼けしたセクシーな美女のジャケットに目がいった。
ボン・ジョヴィの3枚目のアルバム『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』(Slippery When Wet)だ。
今回でボン・ジョヴィのディスクレビューも第3弾。
果たして俺たちの夏の行方はいかに。
これから聴きたい人、ベスト盤でしか聴いたことのない人へ役立つ内容となっているので、是非、最後まで読んでくれると幸いだ。
このディスク・レビュー記事は感性、感覚の話になるので、あくまで個人の意見としてとらえていただきたい。
- 初見ならではのレビューと考察
- 全曲解説・おすすめ度(★5段階評価)
- アルバムの歴史
- これからボン・ジョヴィを聴きたい方
- ベスト盤でしか聴いたことのない方
- 洋楽をとことん楽しみたい方
『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』全曲レビュー/おすすめ度(★5段評価)
収録曲 | 収録時間 | おすすめ度(★5段階) | |
1 | Let It Rock | 5:25 | ★★★★☆ |
2 | You Give Love A Bad Name | 3:42 | ★★★★★ |
3 | Livin’ On A Preyer | 4:09 | ★★★★★ |
4 | Social Disease | 4:18 | ★★★★☆ |
5 | Wanted Dead Or Alive | 5:08 | ★★★★★ |
6 | Raise Your Hands | 4:16 | ★★★★★ |
7 | Without Love | 3:30 | ★★★★★ |
8 | I’d Die For You | 4:30 | ★★★☆☆ |
9 | Never Say Goodbye | 4:48 | ★★★★★ |
10 | Wild In The Streets | 3:54 | ★★★★☆ |
1. Let It Rock
歪んだギターとオープニングからデヴィッドのキーボードが煌めきを秘めて輝く。
教会音楽で使われるパイプオルガンのような音色がなんとも幻想的だ。
イントロが終わりワイルドな男たちの雄叫びが “Oh oh oh” と地鳴りを鳴らし聞こえてくる。
ハードさは少なく8ビートで展開されるこの楽曲は「ロックで突き進んでいけば、世界を状況をうまくいかせることができる」と希望に溢れたロックンロールナンバーだ。
3:49からのギターソロはこれまでのボン・ジョヴィよりも自由でワイルドな洗礼されたサウンドに仕上がっており、特にタッピングとスライドの組み合わせがうねりを見せ解放的な表現が素晴らしい。
ボン・ジョヴィが世界制覇を狙ったオープニングとしては相応しい曲だろう。
イントロのキーボードの演奏の中に “Wanted Dead Or Alive” の伴奏の一部が流用されているのにも注目だ!
歌詞の中に「キャプテン・キッド」(Captain Kidd)という人物が登場する。
スコットランドからアメリカにやってきた海賊の船長で「自分はある場所に財宝を隠している」という言葉が有名な人物だ。
2015年にはその財宝の一部が発見されたニュースも報道されている。
そしてこの歌では、まるでボン・ジョヴィというバンドが海賊に例えられてロックをやりにくると表現されている。
ただ歌にはロックの侵略という意味はなく、「うまくいくさ、境界線を越え別の世界へ突き抜けたいのなら」という歌詞からわかるように希望を歌っている。
2022年にボン・ジョヴィ公式Xに投稿されたポストには謎のコスプレ商品の写真が添付されており、そこには “CAPTAIN KIDD” と書かれている。
調べても出てこないので実在する商品か真偽は不明だ。
This one is going to sell out fast! pic.twitter.com/lvfmVA8Djw
— Bon Jovi (@BonJovi) October 26, 2022
【出典】Bon Jovi (@BonJovi) Xより
2. You Give Love A Bad Name
ドロップド・コーラス(演奏ないコーラス)という印象的な手法をイントロに巧みに使い、ヒットメーカーのデズモンド・チャイルドが作曲に参加したボン・ジョヴィ初の全米トップ40入りした名曲中の名曲。
「禁じられた愛」という邦題がつけられているのだが、オリジナルのタイトルを直訳すると「お前は愛に汚名を着せた」となる。
歌の内容は「天使のような笑顔の女、弾のこめられた拳銃のようなお前は、実は性格の悪い、そんなお前は俺の心に弾丸を打ち込んだ、そうお前は愛に汚名を着せたんだ」と俺とお前との間に育まれた愛に泥を塗ったというもの。
「禁じられた愛」とは交わってはいけない男女の愛をイメージしたもので、あながち間違いのないタイトルだ。
曲のテーマは「愛」だ。
そしてその愛は “悪い愛”。
アイディアは当時両親と住んでいたリッチー・サンボラの家に行ったときに共同製作者のデズモンド・チャイルドがひらめいたもの。
“You Give Love A Bad Name” というフレーズが降りてきて、そこにデビューアルバム『夜明けのランナウェイ』の楽曲 “Shot Through the Heart” というワードを足してあのコーラスが誕生したそうだ。
ちなみにデズモンドはのちに、ジョーン・ジェット & ザ・ブラックハーツの “I Hate Myself For Loving You” やエアロスミスの “Dude (Looks Like A Lady)”というヒット曲を生み出すことになる。
これら全ての曲に共通するのが「歪んだ愛」をテーマにしたもの。
まだまだ考察しがいがあり、奥深いテーマにも感じる。
3. Livin’ On A Preyer
ボン・ジョヴィの中から1つだけピックアップするなら間違いなく”Livin’ On A Prayer”を選ぶ。
なぜならこの曲は、どんなに困難で絶望的な状況でも祈りながら生きていくんだと人間賛歌や生命力に溢れている曲だからだ。
もちろん印象的なトークボックスや今では聴くことのできないジョンの強烈なハイトーン・ヴォイスが聴いていてカッコいいし生き生きとしているのも理由の一つだ。
この曲には架空の人物、トミーとジーナが登場する。
2人はカップルでトミーは港で働くが組合がストライキを起こし運から見放され、ジーナは一日中ダイナーで働きづめ。お互いキツい状況だがお互いがいて、愛がある限りきっとうまくいく。
これから分かるのは “希望と信念” がテーマの歌ということだ。
それは上記で説明したように貧しく絶望的な状況でも信念を持って生きていくという歌詞からも分かる。
同じテーマを持っているのが “It’s My Life” だ。
絶望した人間のための曲なんかじゃない、信念を曲げずにあきらめずに精一杯生きるんだと歌った内容で、トミーとジーナが神話のように歌詞の中に再登場する。
そう、この2つの曲は兄弟・姉妹のような繋がりがあり、2つで1つの物語が語られ、お互いを支えるトミーとジーナのように感じることができる。
4. Social Disease
むむむ、なんだこのエロさ全開の女性の喘ぎ声は?
耳を疑いたくなるようなSEから始まり、ピッキング・ハーモニクスを効果的に使ったイントロのギターリフにつながる。
8ビートで繰り広げられるこの歌では「恋を社会の伝染病に例え、どうにも止まらない男女の物語」が描かれている。
なんとも愉快な曲だ。
恋に盲目になり病気と例えてるのは、のちの楽曲 “Bad Medicine” にも流用されているテーマだな
歌詞の中に登場する “ロング・トール・サリー” はリトル・リチャードの楽曲 “Long Tall Sally”(のっぽのサリー)に登場する人物だ。
「ジョンおじさんとメアリーおばさんの夫婦が登場するのだが、実はジョンおじさんは別の女性サリーとイチャイチャしている、OH, Yeah最高だぜ」という内容で今では考えられないコンプラも何もない時代の歌だ。
ビートルズやキンクスもカバーしてるよ
ボン・ジョヴィのこの曲は確かにエロい要素を含んでいる。
”ロング・トール・サリー”という名前を引用してきただけではなく、歌詞の後半にある “38 double-D’s”という部分からもエロさが伝わる。
これはアメリカのブラのサイズを表しており、日本でいうところのDD/Eカップあたりのサイズのことだ。
5. Wanted Dead Or Alive
何段階にも音階が移り変わるギターリフから始まる。
キーボードとアコースティックギター、ドラム、ベースの融合は妙な化学変化を起こしブルースやカントリーを感じさせ現代のカウボーイを見事に脳裏に具現化させてくる。
朝焼けの中登場してくるカウボーイが浮かんできたな
この歌では、おたずね者のカウボーイの生き様が描かれている。
カウボーイ=ロックスターという構図なのだろうか?
ラストのギターソロからは、紆余曲折して生きてきた男の人生観すら感じられる。
実際にはツアーバスでの生活を歌にしたものと言われている。
曲の終わりの風切り音が “荒野に去っていくおたずね者” を表現しているようにも聞こえてかっこいい楽曲だね
アイドル的な存在とは別の新たなボン・ジョヴィ、いや以前から内にとどめて持っていてたものが爆発した。
そんな思いが “Wanted Or Dead Or Alive” から読み取れる。
文字通り”Wanted Or Dead Or Alive”は西部劇などで手配書に書かれる文言なのだが、この曲は「ロック界の指名手配者ボン・ジョヴィ」を表していると考えられる。
彼らの代表曲 “Wanted Or Dead Or Alive” はジョンとリッチーの作曲した楽曲で、アルバムからのヒット曲 “You Give Love A Bad Name” (禁じられた愛)と “Livin’ On A Preyer” で関わったデズモンド・チャイルドなしで初のヒットを叩き出したバンドの歴史において重要な位置に君臨する曲でもある。
Billboard100では最高7位まで上り詰めた、まさにロックスター(おたずね者)を世界中に知らしめた裏名曲なのだ。
6. Raise Your Hands
イントロのギターにキーボードの煌びやかさを足すことでポップさが増す。
先程の曲とは打って変わり、全体的にポップ・ロックな印象を与えてくる楽曲。
2:49から始まるギターソロから後半にかけての疾走感と盛り上がりはすごく、最高潮に達した時にはSEで観客の歓声が響くのが当時のバンドの勢いをよく表現している。
「さあ今こそ腕を振り上げろ!最悪な評価をされても、厄介な状況でも声を上げろ!自由や勝利、自分の気持ちを表すために」と若きボン・ジョヴィは叫ぶ。
勇気や希望を与えてくれるロックソングだ。
歌詞の中に「腕を振り上げろ!ニュージャージーからトウキョウまで」と彼らの出身地ニュージャージー州とボン・ジョヴィを人気にさせた東京があるのは嬉しいね!
7. Without Love
冒頭のシンセサイザーから歌謡曲のようなどこか日本の音楽の影響を感じる、我々日本のリスナーにとっては聴きやすくウケの良いバラード曲。
しかしリッチーのピッキングハーモニクスが所々ギラギラさせて、しっかりハードさも残しているのも聞きどころだ。
2:20から始まる後半パートではジョンの優しい歌声が味わえ、前半の楽曲とはまた違う側面を楽しむことができる。
この歌は「愛なしでは生きられない男女」の物語が歌われている。
それはまるで “Livin’ On A Preyer”で登場したトミーとジーナの2人が「必死で踠き祈りながら生きている」と言っていたのと同じスピリットを感じることができる。
トミーとジーナという名前は歌詞には登場しないが、男女それぞれが “I’ve been through some changes/But one thing always stays the same” (これまでいくつもの変化を経験してきた、でもひとつだけはずっと同じ) と語る場面がある。
“Livin’ On A Preyer”と共通するのがお互いが想いを語る場面があること、そして作曲家デズモンド・チャイルドが参加していることだ。
しかし希望がテーマではなく、この歌では愛のすれ違い(失恋)を歌っている、いなくなってから分かる愛の必要性・重要性を語っているのだ。
8. I’d Die For You
既視感があるイントロのキーボード、どこか「夜明けのランナウェイ」を彷彿とさせる。
ただ緊張感は感じさせずに、今回は「愛に不器用な男の悲劇の物語」が語られている。
言葉足らずな男は「俺の心の中を見れたら分かってくれただろう」と歌い投げやりな態度を見せ、「お前のために死のう」と死していかに愛していたかを表現しようとしている。
歌詞には「ロミオとジュリエット」が登場し、シェイクスピアの物語の悲劇を現代に甦らせたような内容となっている。
9. Never Say Goodbye
ボン・ジョヴィが放つパワー・バラードには妙に惹かれるものがある。
他のロックバンドのように決してシャウトが特別凄いわけではない。
しかし空間を包み込むサウンド作り、優しさの中に潜むワイルドさを持つジョンの声、リッチーの哀愁漂うギターの音色。これが他のバンドとひと味違う点だ。
これらが融合し生まれたこの曲で語られているのは「思い出」だ。
酒を飲みながらふと思い出がよぎる、車の中で一夜を過ごしたあの頃、学校をサボり車を乗り回し、ビールを呑みラジオを聴き何にも気にしてなかったあの頃、ダンスパーティーの夜に喧嘩したあの日。
そんな思い出の日々が綴られ “Never Say Goodbye” (さよならとは言わないで) とひとり語る男の姿が描かれる。
「さよならと言わないでくれ、お前と俺、そして俺の旧友たちに、決して終わりでないことを願って、頑張っていこう」
ふと思い出がよぎる時、卒業シーズン、何気ない平日の夕方とかに聴きたくなるバラードだ。
ジョンが25歳の時にハイスクール時代の思い出について書いた歌だそうだよ。
アウトロのアコースティックギターももの悲しい雰囲気で好きだな。
10. Wild In The Streets
アルバムの最後を飾る曲は毎度重要視して聴いているのだが、今回もテンション爆上げのロックナンバーを飾ってくれた。
キラキラなキーボードの音に、ブルース感満載のギターソロ、力強いドラムビート。
そして「ァワアアァァーイルド・イン・ズァ・ストリーツ」と喉の奥から叫ぶジョンの歌声。
歌われているのは若者の反抗心、ラブロマンス、揺らぎのない地域のコミュニティのあり方とそこでの生き方をジョーイという若い男を中心に描かれている。
この歌には「郷に入っては郷に従え」というテーマもあると考えられる。
なんの汚れもない街からやってきた主人公ジョーイがストリートにいる年老いた男に過去の話やこの町での生き方を学ぶところから始まる。
「俺が若かった頃は少年隊のメンバーで近所の女の子とデートして、その子の親父にキレられたんだけど、あの子は余計夢中になっちまったんだ。あの子はバスルームの窓から逃げ出して、俺と車のバックシートでイチャついたんだぜ。」
そう俺は町の荒くれ者だったぜ、だがガキのパレードの間はうろつくなよ、だって俺の生まれ育った町だからなとジョーイに忠告する。
こういった歌詞の内容からも上記のテーマを感じることができる。
『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』の歴史
1986年8月にリリースされたアルバム『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』(Slippery When Wet)は、ボン・ジョヴィの3rdアルバムだ。
解説
前作『7800°ファーレンハイト』が初のゴールド・ディスクに輝き、日本から始まったワールドツアーを制したボン・ジョヴィ御一行。
1986年の年明けからオフを取らずに曲作りに専念していた彼らは、2ヶ月で40曲ほどかきあげたとか。
しかしそれは新たに迎えた外部のソングライター、デズモンド・チャイルドがあっての成果だと言っていい。
外部のライターを取り入れたのはレコード会社「ポリグラム」の重役が収益を重視していたからだそうで、当初ジョンは気が乗らなかったがデズモンドと会うことで手のひらを返したそうだ。
このデズモンド・チャイルドという人物は70年代中期に「デズモンド・チャイルド&ルージュ」というバンドを組んでおり、”マンハッタンの詩人”と呼ばれるほどの異名を持つ才能の持ち主だ。
さらにプロデューサーもランス・クインからブルース・フェアバーンという凄腕プロデューサーに変更し、「ボン・ジョヴィ」にとって新たな風を取り入れたのも成功の道へ一歩前進するカギとなった。
1986年4月、カナダのバンクーバーにあるスタジオ「リトル・マウンテン・スタジオ」でレコーディングを開始。これを約2ヶ月で完成させた。
当初は『Wanted Dead Or Alive』というアルバム名出会ったのだが、発売直前に『Slippery When Wet』へ変更。
『Slippery When Wet』は、バンクーバーにあるNO.5というストリップ・クラブに行く途中の看板に書かれていた文言であったことと、ステージ上でダンサーが演技の一環でシャワーを浴びるのを見てヒントを得たそうだぞ。
全体的にアルバムが楽しいものに仕上がったから、シリアスすぎないタイトルにしたとも言われてるよ。
満を辞して発売されたのが『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』(Slippery When Wet)なのだ。
シングルでリリースした「禁じられた愛」(You Give Love A Bad Name)「Livin’ On A Preyer」はシングルチャートで1位。
アルバムも8週連続全米1位、現在でも1,500万枚以上売れているメガヒットアルバムだ。
アルバムのジャケット(カバー)の変更
実は完成までに提案されたアルバムジャケットのアイディアは3種類存在する。
カウボーイ風のジャケット
The cover was made in minutes after two previous concepts were rejected:
— Planet Rock (@PlanetRockRadio) August 18, 2022
Firstly a sepia-tinted photo of the band dressed like cowboys, inspired by 'Wanted Dead Or Alive' but which the band felt lacked impact (although this photo was subsequently used for the single artwork). pic.twitter.com/xTNuNihGbl
【出典】Planet Rock (@PlanetRockRadio) Xより
Today in Jovi History!
— Jerry Braden (@Jerrybraden92) March 2, 2024
37 years ago today on March 2 & 3, 1987, @BonJovi released Wanted Dead or Alive as the third single to promote their 1986 album, Slippery When Wet!#BonJovi pic.twitter.com/FgD3yDp8gR
【出典】Jerry Braden (@Jerrybraden92) Xより
1つ目はタイトル変更前の『Wanted Dead Or Alive』のバージョン。
これはバンクーバーの炭鉱で撮られたもの。
髭を蓄えてカウボーイ風のコンセプトを提示したところ「2枚のアルバムを出して山男なんかになってどうすんだ」とレコード会社がダメ出しされてしまい却下。
Fun fact: Wanted Dead or Alive was one of the original concepts and title for Slippery When Wet.
— Jerry Braden (@Jerrybraden92) August 9, 2024
One of the first ideas of the album cover was the band with scruffy beards and dressed as cowboys, showing them as the “Bon Jovi Gang”
Photography for the Wanted Dead or Alive… pic.twitter.com/mQjo50E92w
【出典】Jerry Braden (@Jerrybraden92) Xより
また、そもそもアルバム名が変更になるためボツになった。
増田勇一さんが作った指名手配書をみた時、ジョンは喜んでて、カメラマンから破くように言われた時は勿体無いあまりくちゃくちゃにすることしか出来なかったそう。
その後手でキレイに伸ばしてたらしいな〜
カナダのメディア「The Canadian Press」のインタヴューで語っている。
しかしこのバージョンはシングル『Wanted Dead Or Alive』にそのまま使用されることになった。
手配書風のものはヨーロッパと日本で流通したそうだよ。
セクシー・バージョンのジャケット
【出典】Jon Bon Jovi (@jonbonjovi) Instagramより
2つ目は胸元の開いたセクシーな女性のドアップのもの。
【出典】Bon Jovi (@bonjovi) Instagramより
こちらは元々採用されていたのだが、本国アメリカの小売店などで際どい表現や性的なものが問題視されたことや、ジョンがピンク色の縁取りが気に入らなかったことで変更になった。
ちなみに洗車する6人の美女の中には、のちにジョンの妻になるドロセアの姿もある。
また当時撮影を担当した写真家マーク・ワイスのInstagramでは、写真集『The Decade That Rocked』を出版した時にイベントで当時のセクシーカバーを飾った女性と再会した写真が投稿されている。
【出典】Mark Weiss (@markweissguy) Instagramより
日本では多くがこのセクシー版が採用されているよ!
すでに印刷工程が進んでいたし、当時50万枚すられていたそうだぞ。
急遽決定した黒地に文字のジャケット
【出典】Bon Jovi (@bonjovi) Instagramより
「明日までに新しいアートワークが決まらなければ、アルバムのリリースは延期」と通告されたジョン。
代わりに採用された3つ目の案は、へフティのゴミ袋に水をかけて両端を持って文字を書いたのもで、アメリカではこちらが現在も採用されている。
- 【Ultimate Classic Rock】A Tale of Three Bon Jovi ‘Slippery when Wet’ Album Covers
- 【amass】ボン・ジョヴィ『Slippery When Wet』35周年 担当写真家がジャケット・カヴァーにまつわる論争について語る
まとめ:『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』を全曲解説・レビューをしてみて
3作目にして最高傑作と言って良いほどのアルバム。
ジョンとリッチーのソングライティング・レベルが上がっただけでなく、デズモンド・チャイルドという外部の人間を迎えることで表現力や音作りに磨きがかかったのだと考えられる。
ベスト盤でヒット曲しか知らない私もこうして一枚のアルバムをじっくり聴くことで知らない世界を見ること、感じることができた。
またアルバム単位で聞くとテーマも見えてくる、
個人的にアルバムを通して聴いて見えたのは「愛」や「決意」「生き様」といったテーマというもの。
それは時に困難な状況で例えられたり、カウボーイに例えられたり、架空の人物を登場させ会話形式でキャッチボールをさせ描かれていた。
ちなみにアルバムジャケットに関しては、個人的にはセクシー版が好きだ。
ジョンは気に入らなかったそうだが、80年代のカラフルな色合いは時代を感じさせていいと思う。
次回作も早くレビューしたいものだ。
このように日々洋楽の魅力をお届けしているので、更新通知が行くようにX(旧Twitter)とInstagramのフォロー、ブログのチェックしてもらえると幸いだ。
そしてあなたの好きな曲、どちらのアルバムジャケットが好きかをコメントに書き込んでくれ。
それでは洋楽を楽しみましょう。
SEE YOU NEXT WEDNESDAY!!