【第8回】オリヴィア・ロドリゴの「obsessed」を紹介・解説
このカテゴリーでは主に楽曲解説にフォーカスしています。
あの曲は、何を歌っているのか?有名な曲だけど、歌詞の内容までは知らない。
なんとなく歌っていたあの曲ってそんな歌だったの、といった疑問を解決するコーナーとなっています。
今回紹介するのは、オリヴィア・ロドリゴの2ndアルバム『ガッツ(スピルド)』から、
“obsessed” です。
『ガッツ』の全曲レビュー記事はこちらから読めます。
- 曲の意味
- 歌詞やミュージックビデオからの深掘り考察
曲の概要
- アルバム『ガッツ』の隠しトラックのひとつ。
- 彼氏の元カノたちに取り憑かれた女の子を歌った曲
“obsessed”の意味
単語 | 発音 | 意味 |
obsessed | UK:*/əbˈsɛst/ US:(əb sest′) | (形)取りつかれている、執着している (形)取りつかれた;悩まされた |
I’m so obsessed with your ex (取り憑かれているの、あなたの元カノに)とコーラスで歌うのですが、ハッピーな恋愛を歌った曲ではなく、元カノたちに取り憑かれ嫉妬をする曲です。
曲の内容
考察
“obsessed” は、アルバム『ガッツ』の隠しトラックとして発表された一曲です。
面白いのが、アルバム『サワー』に収録されている “deja vu”と並べて聴くと新たな発見がある点です。
“deja vu” では、「あなたが新しい恋人といるとき、あなたは私を感じる(デジャヴ)でしょ」と、そして “obsessed” では「あなたの元カノに取り憑かれているの」と歌っています。
オカルト要素という共通のテーマを持っていると解釈できます。
ミュージックビデオから見る考察
ここからはミュージックビデオを元に「obsessed」を深掘りしていきます。
冒頭タイトルシーンと登場人物たち
“ALL OF HIS EXES & Olivia Rodrigo PRESENTS” obsessed
(”彼の元カノ&オリヴィア・ロドリゴがお送りする” obsessed)
と映画のタイトルの様な文字で始まるミュージックビデオ。
ここに登場するのは全て、彼の元カノと今カノのオリヴィア(MISS RIGHT NOW)です。
彼女たち全員にはそれぞれ違うタスキが掛けられており、その時々の元カノが表現されています。
オリヴィアの服装からわかる意味と役割
\#オリヴィア・ロドリゴ Instagramより/
— オリヴィア・ロドリゴ Olivia Rodrigo 日本公式アカウント (@olivia_jpn) March 22, 2024
「アルバム『GUTS (spilled)』がリリース!!!!!そして、「obsessed」のミュージック・ビデオも公開されました!!
ダン・ニグロとセイント・ヴィンセントと一緒に3年ほど前に作っていた「obsessed」を(🤯)、やっと世に出すことができました!… pic.twitter.com/FrHGpircV6
【出典】オリヴィア・ロドリゴ Olivia Rodrigo 日本公式アカウント|X(@olivia_jpn)より
**’s Exes Annual Ball(**の年次舞踏会)と元彼の名前にモザイクが入った垂れ幕の下で全身黒で固めたオリヴィアが登場。
服の色でわかる通り、彼女は元カノたちの流した血の涙で黒く変異し、見た目はヴァンパイアになります。
赤いリップや前髪パッツンの髪型は特徴的で、黒のハートのネックレスは、周りの元カノたちの痛みという怨念を吸い取った象徴とも解釈できます。
なんかよくわかんねーけど、面白い考察だな
白いドレスを着たミス・元カノたちとは、対照的な存在で表されています。
そのような視覚的な構成・効果からもそう解釈できます。
ビデオの中盤ではオリヴィアが司会を務め、元カノたちへトロフィーを渡すシーンが続きます。
「ミス・8年前のサマーキャンプ」と書かれたタスキの子には、 “SPEAKS KINDLY ABOUT ME”(私のことを悪く言わない)というトロフィーをあげたりと皮肉たっぷりに表現しているのにも注目したい。
「7」という不吉な数字
舞踏会の会場で7人の元カノに囲まれるオリヴィア。
まるで儀式を執り行っている様に見えるこのシーン、注目したいのは7人という人数。
「7」という不吉な数字が隠れているのです。
【出典】livies hq Instagramより
これは日本に限った話でありますが、「七福神」も元は七難を転じて福となすという意味であったり、ことわざにも「七代まで祟る」「無くて七癖」「親の七光り」などがあります。
“7”は縁起の悪い数字なのです。
日本だけかと思いますが、海外の映画でも “7” という数字は流用されています。
例えば、黒澤明監督の映画『七人の侍』をベースにした、ウエスタン映画『荒野の七人』、リメイクの『マグニフィセント・セブン』。
サスペンス映画『セブン』などでも数字の “7” は不吉な意味で使われています。
ラッキーセブンじゃねーのかよ〜
確かにメジャーリーグから由来する意味だけど、曲の意味を捉えるとラッキーには思えない
そして、このミュージックビデオでもそう言えますし、彼女の失恋という経験からも、また繰り返してしまうのではないかという不吉な予感を暗示しているとも考えられます。
それは、終盤に床に倒れ込むシーンや掃除機をかけるオリヴィアの姿からも解釈できるのです。
まとめ:「obsessed」を聴いてほしい
さて、ここまでオリヴィア・ロドリゴの「drivers license」について紹介・解説をしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
ダン・ニグロとセイント・ヴィンセントと一緒に3年ほど前に作っていたという本作。
改めてオリヴィアのソングライティング力、表現力の進化を感じるロックな曲ですよね。
余談ですが、同じくディズニー出身のマイリー・サイラスも “Obsessed” という同名の曲を発表しています。
恋人のことをずっと考えてしまう女性のことを歌っているこの曲も、合わせて聴いてみてくださいね。
「GUTS World Tour」の日本公演が決定しました。しかもキャリア初の日本公演。
一夜限りのライブ、歴史的瞬間を目撃してみてはいかがでしょうか。
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それでは次の記事でお会いしましょう。
SEE YOU NEXT WEDNESDAY!!
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